帯状疱疹(ヘルペス)・帯状疱疹後神経痛の治療
帯状疱疹とは、ウイルス性の皮膚疾患で、、いわゆる「水ぼうそう」になった方が、多くは50歳を過ぎたころに出やすいものです。みずぼうそうを起こすウイルスは水痘帯状疱疹ウイルスと呼ばれ、脊髄から神経が線維が出始める、神経根とよばれる神経細胞が集まっている部位におとなしく潜んでいます(潜伏感染)。あるとき体が使れたりして一時的に免疫力が低下して際に、急にウイルスの活動が活発化して(再活性化)して、神経をたどって皮膚に現れて皮膚に炎症を起こします。赤い発疹と水ぶくれができ、痛みをともなうのが特徴です。
ウイルス感染の病気で、水ぼうそうになったことのない子供や大人は、他人の帯状疱疹を起こしている最中の部位を触ると、水ぼうそうになりやすいので注意しましょう。
治療
抗ウイルス薬(ウイルスの増殖を抑える)による治療をおこないます。ウイルスの増殖を抑制するものでウイルスを殺すわけでがありませんが、早期に内服することで、皮膚の症状はすみやかに回復し、痛みも軽くなっていきます。安静を保つようにして体力を回復することも重要です。薬を1週間内服すると、多くの方が軽快しますが、一部の方で痛みが数か月持続することがあります。一般的に3か月以上痛みが持続する場合には一般的に”帯状疱疹後神経痛”と呼びますが、その場合はそれに見合った痛み止めの内服薬を選択して治療を行います。総合病院の麻酔科に痛みみを和らげる治療目的に紹介することも時にあります。
予防
帯状疱疹をなってしまうと高齢者の方では時に重症化、あるいは帯状疱疹後神経痛になりやすいと言われています。そのため帯状疱疹にならないように予防することがよいと考えられます。その予防のため最近は帯状疱疹予防ワクチンの接種ができます。小児に使用する水ぼうそう予防で使用する生ワクチンも帯状疱疹ありますが、ステロイドや免疫抑制剤を服用している方、あるいは免疫抑制になる病気の方には使用できません。現在はウイルスのタンパク質の構造に類似したタンパク質を合成して作られた遺伝子組換え型ワクチンがあります。今はその遺伝子組み換え型ワクチンが一般的です。50歳以上の方、および帯状疱疹の発症リスクが高いと考えられる病気がある、あるいは免疫力を抑えるような治療をされている18歳以上の方にも接種ができます。約2か月間隔で2回、筋肉内に接種します。ただし保険適応ないため自費診療になりますが、2回接種後、現在のところ7年以上の予防効果が認められています。10年以上でも80%を超える有効性が認められました。